味噌作りイベントが図書館のある施設で行われたので、久しぶりに図書館に行きました。ふと手に取ったのが北野慶氏の「亡国記」。地震と原発事故によって滅びゆく日本。その荒波を必死で生きていく父娘を描いた物語です。家族を守るために何が必要か考えさせられる一冊でした。
「亡国記」あらすじは?
東日本大震災から6年経った2017年4月。
いつ起こってもおかしくないといわれていた南海トラフ巨大地震が発生する。
東日本大震災と同様、原子力発電の被害が発生。
しかし東日本大震災の時と違ったのは、地震の揺れにより原子力発電所が崩壊してしまったこと。
それにより、核爆発が発生。関東、中部、関西地方は、あっという間に放射能汚染されてしまう。
主人公の深田大輝は、地震発生直後、京都にいるが、娘の陽向を連れて放射能汚染からの逃避行を開始。
九州まで車で非難し、そこから韓国、中国を経由しヨーロッパ、そしてカナダまで非難します。
最終的にはオーストラリアに落ち着きますが、その間に日本という国は壊滅していきます。
最近はもっぱらオーディオブックだったので、久しぶりの読書でした。
読み始めると、一気にのめり込んでしまい、その日のうちに読破ですw
著者 北野慶氏の経歴は?
著者の北野慶氏は北海道大学を卒業後、出版社に勤務。
その後、勤めていた出版社を辞め、フリーに転身。
韓国に3年間住んでいたこともあったそうです。
韓国より帰国後は、韓国語の翻訳をメインに働いていたようですが、作家に転身。
著書に小説集『極北のレクイエム』(彩流社)、『コリア=ニッポン新研究』(柘植書房新社)、『韓国病診断』(柳智尚名義、亜紀書房)などがあります。
実は幼少期に場面緘黙症を経験していたこともあったそうです
また、自律神経失調症・パニック障害を患ったこともあり、その時に処方された薬によって向精神薬依存の薬害被害を受けてしまったそうです。
その経験から、2015年『のむな、危険!-抗うつ薬・睡眠薬・安定剤・抗精神病薬の罠』という本も出版しています。
「亡国記」を読んでみて。家族を守るために必要なもの
地震大国日本に住んでいる者として、決して笑い話では済まされない一冊でした。
主人公の大輝は地震直後、娘を連れて一目散に避難を開始します。
地震翌日には九州。そしてすぐに韓国に渡り、中国へ向かいます。
地震後5日もすると、ヨーロッパまで避難。
何といってもお金!!
この行動力たるや目を見張ります。
物語ではあまり着目されていませんが、この避難を支えているのがお金!!
大輝父娘は、地元京都を車で離れ、途中給油をしながら九州へ向かいます。
そして、韓国へ逃れ、中国を経由してポーランド、そしてイギリスまで避難しています。
この間、全く収入がない状態!!
イギリス・ロンドンからさらにカナダまで行きますが、大輝が働き始めるのは9月になってから。
地震の発生が4月1日なので、実に半年間収入がない状態です。
この状態で、移動費、宿泊費、食費を支出し、さらに物語の中ではお金に困った描写は出てきません・・・
日本が消滅するほどの災害ですから、今の様な1ドル=120円付近の為替レートでは当然ないでしょう。
1ドル=200円とか、300円、いやもっと円安になっているかもしれません。
仮に1か月の資金に平時で50万円必要だったとしても、円安になったため半年間で1~2千万円は使っているのではないか?と思います・・・
お金の心配がなかったからこそ、何の迷いもなく逃げられたのだと思います。
英語力
大輝は、学生時代に留学経験があります。
そのため、英語で日常会話をするのに支障はありません。
大輝は避難先の中国やロンドンでも、外国人に助けられています。
それはコミュニケーションをしっかりとれたおかげ。
英語を使うことができたので、自分の境遇を話すことができ、また相手の助力を得ることができました。
現在世界共通語である英語を使うことができることが、自分と何といっても娘の命を守ることにつながっていることを、この本ほど身に染みる本はありませんでした。
備えあれば・・・
備えあれば患いなし、ということわざがありますよね。
この「亡国記」では、その備えさえ、吹き飛ばしてしまう大災害でしたが、大前提として、夫婦でしっかりと話あっていたから、原発事故が起こったとき、大輝は妻の安否が不明なまま、娘を連れて国外脱出をやってのけます。
物語はあまりに悲しいスタートですが、その備え、夫婦での話し合いがあったからこそ、娘の命を救うことができたのだと思います。
考えたくないけど、万が一のことを話し合っておくことは必要ですよね・・・
まとめ「亡国記を読んで」これからやっていきたいこと
この「亡国記」を読んで災害に備えて必要なものは
- お金
- 語学力
- 事前の備え
だと感じました!
それぞれもう少し具体的にしていきます。
お金
お金は大前提で必要なものです。
万が一のために1年間は、お金の心配もなく生活していけるだけの資金を確保していく必要があります。
残念ながら我が家にはそんな余裕はありません。
しかし、今無理だからとあきらめるのは親として無責任すぎる・・・
どうやったらいいかをしっかりと考えていきます。
具体的にはまずは500万円を貯めること。
そしてその資金の一部は海外の機関で、海外のお金でプールしていくこと。
また、紙幣以外の商品で確保していくこと!
これを目指していきます!!
語学力
何といっても、やっぱり今は英語が話せることが重要です。
日常会話はもとより、新聞が読めるくらいにならないと、情報収集ができません。
40歳も半ばの私が今から英語というのは大変かもしれませんが、
子供の英語の勉強と合わせて、英会話ができるようになりたいです。
まずは、英語を話す国の人と友達になれるようにしていきます!
事前の備え
一番取り組みやすく、一番大変な作業かもしれません。
災害時ことを妻としっかりと話しておくこと・・・
何をどう話していいかはわかりませんが、まずは地震が起こったときどう行動するかを話していきたいと思います。
以上、「「亡国記(北野慶氏著)」の感想は?災害大国日本で家族を守っていくために何が必要か?」でした。最後までお読みいただきありがとうございます。